家庭用蓄電池のメリット・デメリット!

蓄電池って買うことでどんなメリットやデメリットがあるの?と思うことはありませんか?
今や毎年10万台以上売れている蓄電池。
太陽光発電を新しく設置する人も今や6割以上が蓄電池をセットで購入しています。
蓄電池について詳しく解説していきます。

目次

蓄電池が売れている理由

蓄電池設置件数の図を挿入(J E M A蓄電システムビジョン)

家庭用蓄電池が爆発的に売れている理由は大きく2つあります。

1つは太陽光発電システムを新しく設置する人たちの6割以上が蓄電池もセットで購入していること。

もう1つは既に太陽光発電システムを設置して10年近く経っている方が、高い売電価格が終わるいわゆる卒F I T対策として蓄電池を購入していることです。

蓄電池の導入が急増している背景
・2019年11月に初めて10年間の固定買取期間が終了する人が53万人も出てきた(いわゆる2019年問題)。2021年現在は、100万人を超えている。
・製品ラインナップが増えてあらゆるニーズに応えられるようになった。
・自然災害によう大規模停電の増加で、災害対策としての需要が高まった。

家庭用蓄電池のメリット

メリット① 太陽光発電システムで発電した電気をためることができる

ごく当たり前の話ではありますが、やはりこれが一番最初のメリットです。

太陽光発システムは太陽電池モジュールともいい、名称に電池がついているほどですが電気を作ることはできてもためることはできません。

ですから発電した電気は昼間自宅で使うか、余った電気は売電する以外の選択肢はありませんでした。

しかし蓄電池を導入することで電気を貯めることができるようになって自給自足が目指せるようになります。

メリット② 停電時に電気が使える

蓄電池があれば停電が起きた時にも太陽光発電で作った電気を蓄電池にためて、必要な時に使うことができます。

停電が起きると一瞬電気は使えなくなりますが、1秒もかからずに蓄電池から電気が供給されて復旧します。

停電時に電気を使えないとどれくらい困るのかはイメージににくいと思いますが、電気が使えないとどんなことが起こるでしょう。

例えば冷蔵庫が使えずに食品が全て腐ってしまう、携帯電話の充電ができずに連絡が途絶えてしまうかもしれません。小さなお子様が階段で転んで怪我をしてしまった事例もあります。

実際に北海道のブラックアウトを経験した方の中には、蓄電の必要性を強く感じ、すぐに購入した方もいました。

災害が起こってからではなく起こる前に蓄電池を導入しておくのは賢明な判断と言えるはずです。

メリット③ 太陽光発電の自家消費率を上げることができる

太陽光発電を設置して10年が経つと固定買取期間が終わり、高かった売電価格が市場価格に委ねられますのでこれまで一番高かった方で48円で売電できていたものが急に6分の1の8円などに下がっています。

もしも蓄電池があれば売電に回さずに昼間使いきれずに余った電気はためておき、夜に使うことができます。

メリット④ 深夜の割安な電力を使うことができる

オール電化住宅の方は特に電力会社との契約上、慎也料金が安いプランになっています(スマートライフプラン等)。

太陽光発電でためた電気を夜に使うだけでなく、安い深夜電力をさらにためて太陽光発電がまだ動き出さない朝の時間帯に使うことで2つめの経済メリットを得ることができます。

家庭用蓄電池のデメリット

蓄電池の業者の中にはメリットばかり説明して、デメリットの説明を一切しない場合もありますので十分な予備知識をつけておくことが必要です。

デメリット① 設置費用が高い

蓄電容量蓄電池価格kWhあたりの価格
9.8kWh 208.7万円 21.3万円/kWh

太陽光発電は原料にシリコンが使われていて、大量生産によるスケールメリットで製造コストが抑えられ販売コストは年々下がっていきましたが蓄電池の場合はどうでしょうか。

なかなか下がらなかった蓄電池の価格が2021年度にようやく販売数増加に伴い下がりましたが、それでも高ければ300万を超える商品です。

今後の問題として、蓄電池の原料が希少金属のコバルトといった枯渇資源ということもあって量産が難しくなっていきます。そのような背景があるためスケールメリットがなかなか取れず、販売価格が下がるどころか上がる可能性もあります。

デメリット② 設置スペース問題

蓄電池を検討する時につい忘れがちなのが設置スペースの確保です。30年以上設置する蓄電池ですので、長期的な設置スペースが必要になります(蓄電池は屋内に設置するタイプと、屋外に設置するタイプがあります)。

デメリット③ 使える量に限度がある

太陽光発電システムは○kWなので、どのくらいの容量の蓄電池をつけたらいいですか?という質問をよく受けるのですが、太陽光発電システムの容量表示はkW、蓄電池容量の表示はkWhと単位が違います。

闇雲に蓄電池をつければいいのではなく、ご自宅の太陽光発電システムとの相性が重要になります。容量が小さいと自給自足が難しく、大き過ぎれば本体台が容量によって決まってくるので蓄電池の費用が高額になって負担が出てしまいます。

デメリット④ タイプによってはイメージと違う場合も

蓄電池には大きく全負荷型、特定負荷型の2つに分けることができます。

全負荷型の場合、停電時に家全体で電気が使えるのに対して特定負荷型の場合は電気が使える場所が極端に限られます。

さらには100V機器(照明、冷蔵庫)、200V機器(オール電化、エアコン)とありますが200V対応ではない蓄電池もあるので安いからといって導入しても、思った節約が取れなかったり、災害時に役立たなければ意味がありません。

くれぐれも蓄電池を導入される際は知識ある専門家に相談し、慎重に容量、性能を選ぶことをお勧めします。

設置費用は高いですがこれだけ販売台数が増えているのは設置費用以上のメリットが十分にあるためです。

生涯払い続ける光熱費、このまま払い続けるのか、支払いの矛先を変えて蓄電池を導入し、自給自足を目指しながら災害対策をするのかよく考えてみてください。

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